16日(月・祝)は敬老の日でした。私も妻も65歳以上ですから、通俗的には「敬老の日」に祝ってもらえる立場にあります(笑)。しかしお客様から「とても69歳には見えません」と言われているように、私自身は高齢者であるという自覚は全くありません。あるとすれば趣味の畑仕事をするのが体力的に厳しくなったと感じる時でしょうか。また1時間半以上のPC作業をすると目が痛くなり集中力が減衰することでしょうか。
とまあ私事の話はこの位にして、今回は高齢者の労災事故に関する話を取り上げようと思います。高年齢者雇用安定法という法律があります。法定の定年が60歳と定められているのはこの法律の規定によりす。定年後であっても本人が希望すれば65歳まで雇用する義務が会社に求められています。また70歳までの雇用が努力義務化されました。
このような法令の規定があることも追い風に、全国で働く高齢者は914万人となっています。65歳以上の人口3625万人比で25.2%となります。4人に1人の割合で働いているんですね。しかし冒頭に私の経験を記したように、歳を重ねると共に体力は自然の流れで落ちてきます。体力の落ち方の程度は個人差が大きいのが高齢者の特徴です。TV報道では労災対象労働者の中で高齢者の割合が29%と言っていました。「29%って高い数字だな」と私は思った次第です。
令和5年に”死亡や4日以上休んだ”労働災害に遭った老齢者は3万9702人だったそうです。そのうち”転倒”が40%、”墜落・転落”が16%、”動作の反動・無理な動作”が11%の割合を占め定ます。死亡や高度障害を抱えた高齢者の人数は公開されていませんでしたが、かなりの人数になっている可能性があります。
労働人口が減少していく日本。女性のみならず高齢者も労働力として貴重な存在であり、高齢者が働く割合は益々高まっていくことでしょう。その際には不幸にして労働災害に遭わないような職場づくりが求められていると思います。元気で長く働く続けたい高齢者。戦力として活用したい会社。両者の関係が労働災害で断ち切れることがないようにしたいものです。