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あたらしいフィットネス、ちょこざっぷの動きに注目です

 友達と食事した後に「ちょっと運動して帰ります」と少し太めの女性の一言。同僚と一緒に歩いているビジネスマンが「軽く体を動かしていくわ」と伝える。こんな内容のTVCMが放映されています。2か月間で緩んだ体をビシッと引き締まった体にする、という事業を行っているライザップ(RIZAP)の新しいサービスです。その名も「ちょこざっぷ」。なぜこんなビジネスをライザップは始めたのでしょうか。

 RIZAPは2か月間でビシッと引き締まった体になるようトレーナー付のトレーニングを行うビジネスです。糖質を避けたり一定量の運動を課したりします。料金は30万円程度。辛く厳しい過程を経て理想のボティを自力で作り上げるのですが、そこは弱い人間の性。辛さに耐えられず3日坊主になる人も多いようです。

 しかし「きれいになりたい」「もっとスリムに」という願いと共に、「短時間で」「気楽に」「料金も安く」という利用者の要求は際限がありません。ちょこざっぷはある意味ではいい所取りの商品となっています。料金は2980円/月、概ね一回5分程度、24時間いつでも利用、トレーナー不在、着替えも不要です。こんな気楽さ、緩やかさが支持を得て1年3か月の短期間で会員数は83万人に達しました。

 「こんなビジネスはフィットネスではない」と苦々しく思っている業界人は多いのではないでしょうか。会員数は市場からの支持のバロメーターです。もちろんビジネスですから黒字になっていなければなりません。詳しい情報は不明ですが、まだ黒字にはなっていない様子。しかし「黒字で、赤字だ」といっている間に同種の商品を他社が発売し、後手に回ることは大きいリスクを抱えることになります。

 何のビジネスでもそうですが、最初は大きなお客様数を獲得しても徐々に減少していくことは自然の摂理です。「今回いけなかった」という事実が参加率と継続率を引き下げます。また辛いことを避けようという心理から3日坊主にもなり易くなります。この3日坊主になることを防ぐ、それがゆるいフィットネスのちょこざっぷに繋がったのでしょう。

 ビジネスはお客様の数がモノをいう世界です。ちょこざっぷは同種・同類の市場で他社を一挙に抜き去ろうとして会員数は80万人を超しました。新規のサービスも考案中とのこと。ちょこざっぷの今後の動きに注目です。