50年後の2070年の日本の人口が8700万人となり、高齢者比率が4割に達するという報告が国の研究機関から発表されました。今更という感じです。少子高齢化は1990年代から言われ続けており、人口減少と高齢者割合の高止まりも言わずもがなです。とはいうものの、この発表でふと思ったことがあります。
「50年後って、俺は生きていないな!」ということ。今日、オギャ~と産声を上げた赤ちゃんが47歳となる年数です。そう今現在50歳以上の中高齢者にとっては、ある意味でどうでも良い予想値と言えなくもありません。「今!をどうするんだ!」という声が聞こえてきそうです。数年先までの短期間で「何をするのか」が今を生きている私達の大半が考えることです。この発想は現在バイアスに罹患しています。「今が良ければ、将来がどうなっても知らない」という感覚でしょうか。
一般的に現在バイアスは良くないと言われています。現在の延長が50年先の未来なのですから、今を生きる私達も未来の日本人に対して責任があるとも言えなくはありません。しかし、現在バイアスが悪いと主張するのも間違っていると思います。
現在と未来が連続しているのであれば、「未来の為に今!私達は何をすべきか」を真剣に考えれば良いのです。政府が出そうとしている過去に例のない(?)少子化対策。この対策の本気度が問われています。学問の世界、財界、労働組合、地方自治体、NPO等々、日本を構成するあらゆる組織や個人が、異次元の少子化対策をどんどん提案して欲しいものです。
批判はできます。反対も簡単です。しかし少子化対策のアイデアをどんど出すことはとても困難です。しかしこれを続けないと、人口予測が本当・現実になるのです。