8月の貿易収支が2兆8千億円もの赤字になったようです。2兆8千億円もの国富が国外に流出したということです。この状態が続くと仮定すると、年間で約34兆円ものお金が流出します。GDPは約545兆円といわれていますので、6%強にあたる数字です。「なんという事でしょう!」。
貿易収支は財の輸出と輸入に係る収支です。財の輸出の主役は自動車単業です。自動車産業も全世界がEV化しているところ、業界トップのトヨタですら、動きが鈍い(ように思うます)のが気掛かりです。トヨタを始めとする自動車産業がこけたら日本はどうなるのでしょうか。心配でたまりません。
半導体製造機器も好調なようです。かつて日本は半道体製造では世界トップでした。それが台湾や韓国等のーカー躍進で、日本のメーカーはトップ争いに食い込むことは永遠にこないように思います。しかし製造装置や素材メーカーは頑張っています。少し前、日本と韓国との間で従軍慰安婦徴と用工問題等がこじれて、安倍政権が半導体製造時に必要な洗浄液等の輸出を許可制にしたことがあります。
当時の文政権は自国内で生産すると発表し対抗心を燃やしました。最近の新聞ニュースでは、日本からの韓国向け輸出量が二桁で伸びているとありました。韓国内では製造が難しかったのでしょう。日本の半導体産業(といっても製造装置メーカーと素材メーカーだけですが)はとても強いのです。
輸出も相当程度伸びている一方で、輸入がそれを上回る率で増加しています。資源高だけではなく、円安が輸入物価上昇に拍車をかけています。悪い円安はいまや極悪人の円安へと格(!)を上げてしまいました。
貿易収支にサービス等収支、利子・配当等収支などを加えたものが営業収支となります。サービス等収支は非財に係る収支で運送や旅行等が該当するようです。今は30年ほど前に遡らないと分から程の超円安水準となっています。コロナの影響も徐々にではありますが、収束傾向にあります。国外から国内に入っているビジネス客や旅行者の入国制限はやがて撤廃されることでしょう。
入国制限がなくなれば、インバウンド需要はビッグバーンするに違いありません。急速な円安は他国通貨との関係も変化させています。購買力平価で日本円の強さをはかると東南アジア諸国の通貨の方が高いようなのです。欧米以外にアジア諸国からも多数日本にやってくる可能性があります。それも大挙してです。日本政府や経済界で禄を食んでいる人達は、この黒船の到来に備えて今すぐ準備に着手しなければなりません。