最近は暗いニュースが多いように思います。2月後半に始まったロシアのウクライナ侵攻。多数の市民が犠牲となり世界中に悲しみが広がっています。4月23日に発生した北海道知床半島の遊覧船沈没事故。安全性を無視した会社(と船長)の被害者は26名。海上保安庁らの必至の捜索にも関わらず、まだ不明者は12名(29日10時現在)もおられます。本当に痛ましい事故で、関係者の心情を察するといたたまれなくなります。
あらゆるニュースは大きく2種類に分けられます。グッドニュースか又はバッドニュースかの2つです。完全に中立的なニュースはあり得ません。この良い又は悪いの評価は、ニュースの受信者である個々人の心の問題です。倫理的、法的に、道徳的に考えてどうかという基準ではありません。人それぞれに評価軸に違いはあって当然です。自分の心を明るくするのが良いニュースであり、逆に暗くなるニュースが悪いニュースという位に考えて下さい。
報道機関等ニュースを伝える立場にある組織や人は、グッド又はバッドの別なくニュースを事実そのままに知らせるという姿勢を取っていると思います。この姿勢そのものは良いと思います。当然でしょう。フェイクニュースでは困ります。
バッドニュースをこれまでかという位に報道し、加工し、解説し、徹底的に暴いていくという姿勢を取っていくと、私自身はそのニュースから暫くは離れたくなります。関心や興味がないわけではありません。そのニュースが私の心情に負の影響を与えてしまうからです。切なく、自分が何もできないことに無力感が湧いてきます。明日への希望がしぼんできます。「どうにかならないのか?」と思っても、バッドがグッドに転換することは不可能に近いのです。
心理学はよく分かりませんが、グッドニュースとバッドニュースの何れがより強く人の性格や心情、行動様式、言動等に影響を与えるかの研究がなされていると思います。個人的見解ですが、バッドニュースの方が影響度が高いと思います。特異的な事件に遭遇すると、当事者がPTSD(心的外傷後ストレス障害)になり易いとの報告があります。随分と月日が経っても被害者は心に重荷を背負ってしまうのです。
私はバッドニュースはグッドニュースよりも2倍強の影響度があるのではと考えています。バッドニュースはトラウマのように、ふっと思い出してしまい、その都度「なんでや?!」とバッドな心情を拡大再生産さてしまいます。一方でグッドニュースは時間の経過共に、喜びや楽しさは少しずつ薄れていき、「そんなことがあったかな~?」と思い出すのもやっという状態です。これは私だけの経験値でしょうか。
何れにしても報道機関等は意識してグッドニュースの方を多く流してもらいたいものです。バッドニュースは事実だけ報道して下さいとお願いしたいです。細かい情報まで掘り下げずに、さっと流してほしいものです。