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賃金引上げとGDP

 毎日TVをオンにすると、どの時間帯でも「ロシアのウクライナ侵攻」についてのニュースが繰り返し報道されています。3月も中旬だというのに、日本人の誰しもが楽しみにしている桜開花予想が話題に上ってきません。新型コロナ発生後は春のお楽しみも2年間お預けの状態が続いてきました。今年こそは桜の下での大宴会は控えるとしても、桜見物を満喫したいものです。

 桜と共に春は賃金引上げに係る話題が豊富となる季節です。後は8月から10月にかけてでしょうか。この時期は最低賃金引上げがクローズアップされるからです。とはいうものの、定期的に賃金が引き上げられるのは4月が多いことから、労働組合(ナショナルセンター)も力を入れて、賃金引上げ闘争を繰り広げます。賃金引上げは労働組合にとっては最大の懸案事項なのです。

 今年の焦点は引上げ率が2%を超えて3%に迫るかということでしょう。私はこのように思っています。アベノミクスで官邸相場が作られた期間でも2%前後の引上げ率となっていました。それが3%近くになれば、労働界の勝利となる共に日本経済復興の狼煙にもなると私は考えています。その理由は次のとおりです。

 ①GDPを支出面で考えると個人消費は60%強を占めており、この個人消費が力強く上昇しなければ、低迷経済からの脱却はあり得ない。②2%程度の賃金引上げだと、上がった賃金の多くは「将来(老後・余生)の為に貯蓄」へ回し、消費に回る分は少ない。③円安進行や国際的な原油等資源高騰の波を受けて消費物価上昇の気配が見え始めた。よって生活防衛の観点から支出を切り詰める傾向が強まる。

 上記3点のほかに、賃金引上げが直接的又は間接的にGDPと関係することの説明は沢山ありそうです。消費者の心理状態は経済に大きく影響を与えます。国民性も大きな影響要因です。将来に不安を抱えている現状では、少しばかり賃金引上げでは消費に回そうという積極的姿勢を打ち出すことはできません。将来への、不確定要因への備えの為に貯蓄や投資等に回す可能性が高いと思うのです。消費に回せばやがて乗数効果によって大きく膨らんで自分の懐に戻ってきます。かつて江戸っ子は「宵越しの銭は持たない」と言っていたようです(本当?)。その位の威勢のいい声を日本各地から聴きたいものです。

 私は賃金引上げは万単位でも良いと思います。平均賃金を仮に30万円だとすると、賃金引上げ額が1万円は3.3%となります。5千円札や1円札ではなく1万円札が手元に飛び込んでくるとすれば、何となく心も浮きうきしますよね。今年の賃金引上げ額が大きく膨らむことを切に願っています。経営者の皆さん、躊躇せずに思い切って賃金を引き上げて下さい!