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重量比2%、エネルギー比20%の脳が感じる倦怠感

 「本気度でもって真剣に仕事に取り組むと、仕事を終わるとガクッとくる位の疲れを感じる。もしどっと疲れが出ないのなら本気で仕事をしていない証拠です」。この文句は常々、私がコンサルタントをする相手側に話す内容です。私はこの体験を昨日しました。本当に集中していたので、終わった瞬間、どっと疲れがでました。思わず「帰りの車の運転、注意をしないと事故っちゃうかも」と口走ってしまいました。

 標準的な男性の大人では脳の重量は1350~1500gだそうです。平均的な体重を60kgとすると脳は約2.3%を占めていることになります。私は肩や首が張ったり、こったりするのですが、私の首(の筋肉)で1.5kgほどの重さがある脳を支えているのですから、当然なのかもしれません。

 重さの話をこの位にして、次はエネルギーの話です。脳が一日に消費するエネルギーは500kcalだとか。体全体の消費カロリー(2500kcal)の約20%を使っています。体重比では2%強の脳が、消費エネルギーの20%を使っているという事実。なんということでしょう! もし「食べることが大好き人間」がどんどん食べて膨大なエネルギーを身体に注ぎ込んだとすると、脳の消費カロリーは僅か(?!)500kcalですから、肥満体質になることは当然の結末です。仮に脳の消費カロリーが標準の大人の2~3倍という人が出現したとすれば、今話題になっているスーパーコンピューターや量子コンピューダーはもう必要ありませんね(笑)。

 さて、昨日の話に戻りますが、66歳と少し老齢の私は会議に出席して、3時間半集中して一言も聴き洩らさないようにしていた為に、我が脳みそはフルスピードで回転していたようです。出席者から質問があった時は、適切な回答をしなければなりません。質問が出た時に備えて「このように答えよう」と事前準備の為にも脳はフル活動していました。それで会議が終わった途端に、私の脳は解放感を得て一種の放心状態に陥ったのでしょう。

 本コラムの読者の皆さん。一日の仕事が終わったとき、「もうくたくただ」と思わず口から一言出た経験がありますか。いや、言葉が出なかったほどの倦怠感を感じたことがありますか。肉体的な連れではなく、脳が感じる疲労感に伴う倦怠感です。このような倦怠感が続くような仕事をしてみたいと思いませんか。なお脳の疲れをとる良薬は、「正しい生活リズム」「滋養分溢れる食事」「良質な睡眠」などであることを忘れないで下さい。これを忘れてしまうと心身が不調になること間違いありません。くれぐれもご注意下さい。