昨日のニュースで「今年の一字は“金”となりました」と報じていました。「今年の一字」は京都・清水寺の貫主が大きな筆で「金」と書いて公表されます。毎年、世相を表す漢字一字が投稿され、最も多かった漢字が選ばれます。
「金」が選ばれた理由としては、2020東京オリンピックやパラリンピックで金メダルラッシュが相次いだことが挙げられていました。無観客で各国の選手たちの志気ももうひとつだったかも知れませんが、条件は参加全選手はみな同じ。その中で、日本選手の活躍に有期を貰った日本人も多かったのではないでしょうか。
さてその「金」ですが、音読みでは「きん」で訓読みでは「かね」となります。「きんメダル」は大会史上最高の数だったとしても、日本国民の「かね」が豊かになったという実感は乏しい一年でした。「きん」では大リーグ大谷翔平選手の大活躍や将棋の藤井翔太棋士が10代での4冠という「金字塔」を打ち立てたことも「金」が選ばれた理由の一つだそうです。
日本社会や仕事・職場、家庭等々の各場面で、今年に金字塔を立てた人がおられますでしょうか。たった一人又は少人数で金字塔を立てるよりは、所属するメンバー全員が組織の金字塔を打ち立てるようにしたいものです。それが、中長期的には日本の復活につながるような気がします。
さて話を「かね」に戻すと、雇用調整助成金の支給額が5兆円を超えたというニュースも飛び込んできました。雇用保険の被保険者でないアルバイト等にも特別な制度を創って支給対象としたこともあり、5兆円という途方もない金額が支給されたのです。各人には少ない額だったとしても、総計では大きな「(お)かね」になってしまいました。
これで来年度の雇用保険料のアップは確実となりました。足元では有効求人倍率が高まってきたものの、業界間や企業別では回復スピードに大きな格差があります。雇用保険料のアップを「コストが上昇する」と考えず、日本社会全体で弱者を助けるという共助の精神で前向きに考えてほしいものです。
来年はまだちょっぴり先ですが、どのような文字が選ばれるでしょうか。ポジティブな文字が選ばれることを期待したいものですね。