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リスキリングとはどう意味?

 最近「リスキリング」という文字を目にするようになりました。「学び直し」という意味らしいです。ところで、数年前までは「リカレント教育」という言葉が氾濫していました。この「リカレント教育」も「学び直し」という意味が含まれていました。両者はどう違うのか? その疑問を今日は解消しようと投稿しました。

 最初にWEBでリスキリングを調べてみました。 「リスキリング(Reskilling)とは、"職業能力の再開発、再教育"という意味で使われる言葉です。近年では、DX(デジタルトランスフォーメーション)に対応するための人材戦略としても注目されています。現在、世界では「第4次産業革命」とも呼ばれる革新的な変化が起きています。IoTやビッグデータ、AIの活用によって今ある仕事のデジタル化・自動化が進み、従来人が行っていた労働の補助・代替などが可能となるため、多くの労働者の仕事が消失することが予想されています。

 次に同じくリカレントをWEBで検索してみました。「リカレント(Recurrent)は英語で循環・繰り返しを意味する言葉です。つまり、リカレント教育とは義務教育を終えたあとに、就労と教育を交互に繰り返す学習制度を指します。日本では古くから生涯学習という概念が浸透していますが、生涯学習はより豊かな人生を送ることを目的とした学習です。リカレント教育は、あくまで働くことを前提とした学びであり、少し意味合いが異なります。日本では、リカレント教育と生涯学習が同一に語られており、明確な区別はされていません。

 どうやら、就業者の「学び直し」という意味ではほぼ同じようです。リスキリングはDXやIOTなど急速に浸透してきたデジタル社会への対応が求められる中で、上手く適応できるように「学び直し」を行うという意味合いが強いようです。私見ではありますが、リカレントの中にリスキリングが内包されている感じだと思います。

 ところで、日本人はカタカナ表記するのが得意な民族なようです。先のリカレントやリスキリングなどでは適切な日本語はないのでしょうか。日本語の微妙なニュアンスを伝えられる外国語がない場合があります。これと同じように、英語等外国語の意味を伝えることができる日本語がないのかも知れません。話は変わりますが、私は仕事をする際には可能な限り平易かつ簡単な日本語で話そうとします。しかしそれも限度があります。ただし、知ったか振りをしてカタカナを使うことは私の本意ではありません。

 明治の初頭、我が大分県の偉人である福沢諭吉等の先駆者は、英語等外国語を日本語に和訳しました。江戸時代まではなかった言葉・熟語が生まれました。例えば、freedomを自由independenceを独立、economyを経済という具合です。その際は、中国や日本の古典を参考にしたようです。経済はある古典にあった”經世濟民(けいせいさいみん、経世済民)”を利用して作成されました。

 これら明治初頭を生きた文化人が翻訳した熟語(漢字)は、今の日本人にとって当り前に使われています。いやお隣中国でも利用されているのです。中華人民共和国にある人民や共和(国)という言葉も我が国の先人が訳したものなのです。

 このような気質や精神が日本人にあるにも拘わらず、最近は「言葉のニュワンスが伝わり難い」として、カタカナを利用することが多くなりました。だから、「リカレントとリスキリングはどう違うの?」という私の質問となった訳です。名翻訳家の出現を望みたいものです。