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2020東京オリンピックが始まりましたが....

 7月21日のソフトボールの日本対オーストラリア戦をスータトに、いよいよ2020東京オリンピックが始まりました。さて、日本中が熱狂の渦に巻き込まれると思いきや、完全に冷め切った視線でオリンピックを眺めているような気がしてなりません。それは何故か? 思い当たる節が沢山でてきます。

 最初は東京の感染者数が急激に増え、この状況下では大会最終時点で3000人を上回るだろうという観測気球が飛び交っていること。この情報からは、もうどうしようもない無力感に包まれてしまいます。2つ目は相次ぐ組織委員会の関係者の辞職や解職です。大会組織委員長自体が森さんから橋本さんへ変わりましたし、驚愕的なものとして22日に開閉会式のイベントを企画した関係者が組織委員会から解職されたということ。「なんで今!?」と感じるのは私だけではありません。

 昨日のTVを観ていたら、「日本人として恥ずかしい」という声が上がっています。ナチスドイツのホローコーストに関連した発言を過去にしたらしいのですが、外国人は人種や宗教などの差別に関しとても敏感なことから、今回の発言が問題視されることになりました。組織委員会は何時迄にこの発言が遭った事実を掴んでいたのでしょうか。解職という強硬な手段に出たことの背景には、諸外国からの無言の圧力が急速に高まったことがあるのでしょう。

 最後に、ほとんで全ての会場で無観客になったこと。この影響も大きいでしょう。大きな器を用意したものの、選手を応援する観客がいないのですから、一向に盛り上がらない事は当然でしょう。そして追い打ちを掛けたのが、多額な追加費用の支出です。今日の日本経済新聞ではコロナ対策等で3000億円弱の追加費用が発生したと報道していました。無観客で収入が激減し、一方でコロナ対策等で支出が増加する。結論は赤字幅の急増です。

 2020東京オリンピックが終了した後、「これだったらオリンピックを開催する必要はなかった」という声が大勢を占めるようになる気がします。政府は復興五輪、コロナに打ち勝った証等々のコンセプトを出していますが、「大失敗事例のレジェンド(遺産)」とならないことを切に願うばかりです。