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シーボルト台風、室戸台風、伊勢湾台風。そしてハザードマップへ

 静岡県熱海市で土砂災害が発生しました。残念なことに30名強の死者・行方不明者が出て、土砂災害発生の原因探しが始まっています。線状降水帯という梅雨前線特有の大雨が降ったことも一因ですが、県外の業者が過去に実施した山谷に土砂で埋め立てた「盛土」が、大きくクローズUPされてきました。

 業者は県や市に届け出て埋め立てたと主張し、一方の県や市は許可外区域での開発行為や産廃物の混入もあって改善指導等を行ったと反論しています。人命が多数失われ、かつ地域住民の生活安全に係る脅威を与えたこの事件は、予想するに解決に至るまでは法廷まで持ち込まれるのではと危惧されます。

 このような事件があった後、昨夜(7月7日)のNHK・BSの8時台の番組、「英雄たちの選択」にて過去におきた3つの超巨大台風に遭遇した人々の対応について語られていました。江戸時代末期(1828年)のシーボルト台風、昭和9年の室戸台風、昭和34年の伊勢湾台風について「如何に超巨大だったか」を史実に基づいて説明されていました。910ヘクトパスカル、瞬間風速60m/秒など「こんな台風が襲来したら命は幾つあっても足りない」と考えさせられました。

 伊勢湾台風ではその2年前に当時の建設省の役人が海抜ゼロメートル地帯の調査をし、高波・高潮等による浸水被害の予想を自治体へリポートしていました。財政状態から直ぐに対策を講じられた訳ではありませんが、地域生活者に危険性を公知・広報しておければ、死者・行方不明者の数を減らせたのではという解説でした。

 この災害予知リポートが現代に生かされています。その名称はハザードマップです。大雨、大地震、地滑り、ダム崩壊等々「あって欲しくない」自然災害は多々あります。その時、自分や家族の身体と生命を守り、そして財産を守ることはとても大事なことです。ハザードマップは災害予知の感度を高め、その時の対応方法を窺い知ることができます。

 企業にとっても自然災害は勿論のこと、経済活動を行う過程で多種多様な災害(危険)に遭遇します。取引先の倒産、原材料の仕入中断、コロナ等感染症のまん延、基幹社員の退職等々。「リスクはない方が良い」と考えるのは当然です。しかし、「リスクは必ず発生する」と考えておく方が、会社経営の安定性を増します。自然災害のハザードマップではありませんが、自社の企業活動を混乱に陥れるリスクを全て洗い出し、夫々のリスク項目に対しリスク評価をしてみることから始めたいものです。