人は毎日新しい出来事に直面します。ということは、「日日に新たなり」で人(経営者)は進歩し続けていけるという機会を外圧的に与えられているのです。にも拘わらず、人は変わることに躊躇します。それは何故でしょうか。自分が変わることで観える世界が変わります。これまで見えていた世界が観えなくなります。新たな世界に自分が順応していけるのか。この不安感が変ることへの障害となっているに違いありません。
私の主たる仕事は経営コンサルタントです。経営者や経営管理者、監督者などリーダーシップやマネジメント力を適正に発揮することが求められているビジネスマンがコンサルティングの対象者となります。対象者は最初から変わることを拒否する例はまれです。そのような事態にある場合は、コンサルティングそのものが最初から成立しないからです。
コンサルティングを何回か続けて行くと、「こうしませんか」「このようにやり方を変えると仕事がやり易くなりますよ」と提案、助言する機会が増えてきます。この時点で変わりたくないと思っている人は陰に陽に拒否反応を示し始めます。「条件が揃っていない」「先生の言うことは分りますが・・・」「過去もやってみたのですが・・・」等と「できない」「やらない」理由を並び立てるようになります。
「その通りでしょう。しかし、今が変る絶好のチャンスだと思います。『前門の虎後門の狼』と言います。進むにしろ、下がる(現状のまま)にしろ、リスクは必ずあります。前に進んでリスクに立ち向かった方が生産的ではありませんか」。このようなフレーズを駆使して、相手の心を変革させようと試みます。しかし、相手の心のガードはとても固いのです。何回も何回も繰り返し説明をし、ようやく動き始めるというのが大半です。
「変わらないことの心地よさ」と「変わる事への不安」が入り混じって拒否反応を産み出します。饒舌に話しをするのであれば、ノーに対してではなくイエスに対してあって欲しいものです。変わる事への不安など、動き始めれば直ぐに消え去ってしまいます。何故なら、動き始めたことで環境が変わるため、それへの対応に終始しなければなくなるからです。「心配だ。不安だ。どうしよう」と右往左往している人はマネージャーにはなれません。
「出たとこ勝負だ」という位の根性を持っていなければ、経営者としての大成しません。変わり続けることが楽しいと感じる太っ腹の人が、現在のような不確実で変化の激しい時代の経営者像と言えそうです。