「「型」を創る」が今回の投稿テーマです。型は何でも必要ですね。スポーツの世界でも同様です。サッカー、プロ野球、大相撲等々、勝敗の行方がプレイヤーの報酬に大きく影響するとすれば、真剣勝負での「型」の重要性は言わずもがなです。「この形に持ち込んだら、勝ちは自ずと舞い込んでくる」。そのような勝ちパターンを今回は論じてみたい思います。その型というのは、中小企業診断士としてクライアントに提出する報告書のひな型・様式です。
私は大分県中小企業診断士協会に所属しています。平成7年4月入会ですので、足掛け27年間も会員として診断士協会活動に参画しています。今から10年ほど前には3期5年間、診断士協会のトップ、会長を勤めました。診断士協会の発展と会員診断士の成功を日頃から念じています。
さて、診断士はご承知のとおり、太平洋戦争による敗戦から日本経済が復興していく過程で、国や地方自治体が税金を資源に頑張る中小企業零細企業に対して資金提供した、制度融資に絡んで誕生したという因縁があります。ということで、国や地方公共団体等が中小企業等へ補助金を支給する際に、補助金支給対象者として適切か否かの診断を求められる時が時々あります。私は今年、3件受託しています。その際に、診断に適する士業として中小企業診断士と公認会計士が関連法令等に掲げられます。
最近、ある許認可事業に関し、行政庁として許認可することが妥当かという判断をするために、診断報告書の作成を求められました。私は行政書士も兼業しているので、その許認可対象業種に関して良く知っています。顧問先の依頼を受けて、許認可申請書を作成したこともあります。その対象業種では、今年5月1日から債務超過である会社等が許認可申請した時は、中小企業診断士等が事業継続性等について診断をし、申請に当たって診断報告書を添付するよう法令等で行政手続きを変更したというのです。
ということで、私に診断報告書の作成依頼が飛び込んできました。私は診断士協会が受託窓口となることを前提にし、この機会に診断報告書の様式を作成しようと考えました。残念な事ではありますが、各先生の診断能力は経験値や知識、質問能力等々全てが及第点以上とは限りません。診断士協会の会員が診断士協会を通さず、個別に受託した時は致し方ないのですが、診断士協会で受託した時は報告書品質を一定水準以上にしておく必要があると考えました。仮に100点満点だとすると、少なくとも60点以上、いや70点以上の診断報告書が作成できなくてはなりません。中小企業診断士に向けられた所轄行政庁からの期待は大きいはずです。
今回の診断では、診断士協会の会員が所轄行政庁宛に提出診断報告書の品質を揃える為に、報告書様式のひな型を作成するつもりで作成しました。依頼者にもその旨を伝えて了承してもらいました。どのような報告書を作成するにしても、一定の様式・ひな型があれば、一定水準以上の報告書が作成できる訳です。それにより、依頼者や所轄行政庁の利益にもなります。報告書のひな型作りの重要性を改めて認識した事案でした。