今日(4/6)の日本経済新聞朝刊の一面に興味深い記事を発見しました。[個人事業主に識別番号。補助金や税務、効率化]という見出しの記事で、政府が個人事業主を登録・識別する番号制度を創る方向で動き始めたというものです。
個人事業主がもっている番号と言えば、12桁の個人番号です。所得税の確定申告や社会保険等で個人番号が使われています。この個人番号を使って補助金申請等の公的サービスを受けることは、現行の法制度上困難なために、新たに13桁の識別番号を割り当てようという試みです。
13桁の識別番号と言えば、法人には既に付与されています。今回、個人事業主にも識別番号を付与しようと動き始めた動機は、新型コロナウイルスによってダメージを受けた企業に対し、政府に給付金請求するのがアナログ対応で終始し、支給金を受け取るのが欧米等諸国に比べて遅れたことにあります。特に個人企業に対する支給の遅延が社会問題化しました。デジタル後進国の実態を暴き出したコロナ禍での支給金等申請問題。これを契機に政府は個人企業にも識別番号を付与しようと考えたらしいのです。
個人事業主はフリーランスを含めて約198万人とのこと。識別番号付与の始期は、2023年(令和5年)10月を予定しているとのこと。この2023年10月から消費税の税額票(インボイス)が導入されのと同時に、政府は消費税課税事業者に13桁の登録番号を割り振ることを考えています。法人の13桁の番号も発行主体は国税庁ですから、何やら「税金がらみ(脱税逃れの防止)」というきな臭い感じもしないわけではありません。しかし個人識別番号が付与されることで、補助金・助成金等の行政サービスが受け入れられ易くなることは確かでしょう。
なお、課題も多々ありそうです。例えば税額票(インボイス)の発効と絡めるということは、消費税の課税業者にならないとダメだということです。現行の消費税の取扱いでは、2年前の売上高が1000万円以下だと非課税の取扱いをしてくれます。非課税業者は消費者から預かった消費税を納税しないという利益を得ることができます。この不当利得(?)の徴収をインボイス導入でかなり進めることが可能となりそうです。とすると、今でも表に出ていない確定申告もしない個人事業主が増えそうな気がします。
副業(複業)を認める企業も増えてきました。会社からもらう給料以外の収入を増やそうと、副業(複業)に勤しむ会社員も多くなってきました。このような会社員も、個人事業主であることに間違いありません。所定の所得があれば確定申告をしなければなりません。しかし、「隠れて副業をしている」個人事業主が開業の届出等を税務署にすることは考えられません。
何れにしても、個人企業・事業主向けの識別番号付与は、日本社会のデジタル化に向けて大きな一歩となることは間違いなさそうです。今後も大いに関心を持って、政府の動きに注目しておきたいものです。