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ヤッホーブルーイングのシャフル雑談

 ヤッホーブルーイングをご存知でしょうか。リゾートホテル等で活躍を見せている星野リゾートの社長星野佳路氏が創業者で、長野県に本店を置くビール会社です。「よなよなエール」などの少し変なネーミングなビールを多数発売している会社です。業績は好調です。

 この会社では毎朝「雑談を行っている」らしいのです。20分から30分程度、社員同士が仕事に関係のない話をするのだそうです。社員は夫々個性があり、生活習慣や趣味などが異なります。多様性があることは企業、職場に活力をもたらします。「この件については、あの趣味を持っているAさんに訊いてみよう」となるかも知れません。仕事だけの意思疎通では職場は砂漠化してしまいます。砂漠した職場、人間関係には潤いが必要です。ヤッホーブルーイングではその役割を毎日の雑談朝礼で補っている訳です。

 ところが、コロナ禍での雑談に変化が出てきました。同じ職場の仲間としか雑談ができなくなったのです。3密というコロナ感染症に罹患しない為の防衛策が、他の職場(ユニット)の社員との雑談を妨げてしまったというのです。「同じ穴の貉(ムジナ)」では、アイデア発想が一律化してしまいます。

 会社のイメージ「面白いビールを創る会社」がどんどん希薄化してくる可能性が出てきました。そこで、入社4年目の社員のアイデアで「シャッフル雑談」が始まったのです。シャッフル雑談とは在宅勤務でも職場間のコミュニケーションを良くしようとして始まった雑談だそうです。職場内でも在宅勤務者と出社勤務者とでは、社員同士の雑談の密度や回数が少なくなったでしょう。そこに、異なる部署(ユニット)間で意識的に雑談をするという行動を採ったのです。在宅勤務者も参加させてです。

 「部下がさぼっていないか」。こんな心配を上司たちはしているかも知れません。上司と部下との間に信頼関係が成立していないからです。コロナ禍で表面化した問題、懸念ではありません。上司や部下、異なる部署の社員等々、夫々の人となりを知っていれば、「さぼっていないか」と後ろ向きな考えは生まれてきません。「あの人に訊こう」と前向きなアクションが創発されます。この機会にシャッフル雑談を取り入れてみませんか。