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関越道の千台以上の立ち往生、自然の猛威だけで済まされる?

 今週は全国的に寒波が到来し、鳥取県から新潟県、また東北各県に大雪を降らせています。TV報道では関越道が雪で通行がストップし1000台近くの車両が一昼夜以上足止めされています。一般的に災害は天災と人災とに大別できますが、今回の高速道路での足止めは自然災害という範疇で納めて良い物でしょうか? 少し疑問が残ります。

 今から5年程前になりますでしょうか、同じく大雪で福井県内の国道で数百台が立ち往生したという事件がありました。近くのCVSが寒さに震える運転者らに温かい飲み物や食べ物を提供したという美談も生まれました。このときは一般国道でしたから、行政当局が通行止めにするという判断は無理だったかも知れません。しかし、今回は高速道路です。高速道路は入口のICから進入すれば、出口のICから一般道へ降りるまでは高速道路の外へ飛び出すことはできません。

 よって台風到来等の自然災害や交通事故発生など、安全な車両通行を妨害する事件・事故等が発生する又は発生する可能性が高いとすれば、直ちに全てのICにおいて高速道路への進入を禁止する措置をすべきです。また途中のICで強制的に一般道へ誘導させるべきです。今回は気象庁等が今年最大の寒波が到来すること、大雪を降らせる可能性が高いことなどを先週末に予告していました。とすれば、関越道の管理当局は「もしかすると降雪により車両が立ち往生するかも知れない」というリスク予知はできた可能性が高いと思います。

 このように考えれば、関越道で1000台にも及ぶ立ち往生発生という事態は、実は自然災害というよりは人的災害であるという見方が出来るのではないかと思います。現地を見ていない第三者の意見なので、人災であると言い切ることは解決に当たっている当事者には大変失礼な言い方かも知れません。しかし、後日必ず開催であろう反省会・検討会において、人災ではないかという観点も考慮して、今回の事態を分析することがとても重要だと私は思うのです。

 日本人の精神構造は基本的に他力本願です。欧米諸国の様に自然を征服するという考え方はありません。自然から受ける脅威を可能な限り少なくして、自然と共生するというのが自然に対する日本人の対応原則です。「自然災害だから仕方ない」と言い切った方が、精神的に落ち着いたりします。しかし、災害の裏には人的要素がかなり濃厚に関与する事案も相当数あると思うのです。

 高速道路管理者等責任ある立場の方々には、「自然災害なので私たちはどうすることも出来なかった」と簡単に原因分析の責任を放棄することなく、「早めの進入禁止処分が出来なかったのか」と「人的ミス、判断遅れ」等の視点も入れて検討して欲しいものです。