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大分県内の大学生、持続化給付金を不正に受給

 昨日(12/4)のニュース番組で残念なニュースが流れていました。大分県内の大学生が国が中小企業経営者を支援する為に用意した「持続化給付金」の不正請求を行ったというのです。そして、不正請求をした事実を発見したのは親族だったというのです。事務局からの支給したという通知が自宅に届いたというのですから、この親族は父母の何方かであったに違いありません。3人の子を育てた私としては、「大学生が不正を働いて国から給付金の給付を受けた」ことを知った時の親族のお気持ちを察すると、痛まれなくなりました。

 数か月前から、TVや新聞等で持続化給付金を不正受給したことが発覚した事件が続々と報道され始めました。行政が簡単に不正受給できるようなシステムにしてしまったことも問題ではあります。しかしそれ以前に、事業を行っていないにも関わらず確定申告書等を偽造し、そして不正に支給申請するという行為を行った当事者に問題があると私は思います。不正受給のやり方等を指南する者も罰する必要がありますが、不正受給と知りながら申請する者の方が余計に罪が重たいと私は思いたいです。

 何故なら、「自分が行っていることは不正である」と分かっているからです。他者から悪事を申し込まれたとしてもきっぱりと断れなかった心の弱さに問題があります。大学当局の出方は分りませんが、私が当局の者でしたら退学処分に処すると思います。メディアには大学名は出ませんが、ネット世界では「どこの大学か?」と犯人捜しが始まっていることでしょう。大学は名誉を棄損されたこと、大学生であるにも関わらず悪意・故意をもって不正請求したこと等を勘案すると、「当大学の大学生として相応しくない」と断ずるに違いありません。

 この大学生は友達から「楽に稼げる」と持ち掛けられたそうです。この大学生も重い処分が下されるでしょう。2名の大学生の親御さんはどんな気持ちでしょうか? 自分から「不正をやりました」と名乗り出れば軽い処分になっていたかも知れません。俗に言う「自白」だからです。しかし親族が警察に相談したこと、福岡在住の指南役が逮捕されたこと等を踏まえると軽い処分では許されないでしょう。

 私の3名の子ども(既に成人)が幼い時、よくTVでサラ金のCMが放映されていました。そのとき私は子供たちに話して聞かせたのです。「お金は汗水流して働いて頂くもの。サラ金等から借りると借金地獄に陥り、人生を無駄にするぞ」と。不正請求した大学生の親族もそのように教えてきたに違いありません。悪い事と良い事の判断、法律に違反する行為、道徳的・倫理的に問題ある言動等の価値判断ができていなかったとすると大変痛ましい事件と考えざるを得ません。

 仮に大学を退学となった二人の将来はどうなるのでしょうか。不正を働いたという事実はもう消すことはできません。ある会社に入社しようと履歴書を提出しても、「信賞必罰」の欄に「特になし」と記載すれば虚偽記載となる可能性が高まります。そうなると就職できても解雇を言い渡されるも知れません。

 「コロナ禍でアルバイトが出来なくて収入がない」から不正を働いたということのようですが、自分の将来を暗黒にする悪事を行ったということを良く理解しなければなりません。「今が良ければ良し」ではありません。「苦しい時でも不正をして現金を得る」ということは大きな禍根を残すという事を大多数の大学生らは知らなければなりません。今回の事件を「他山の石」として考えて、「李下に冠を正さず」の姿勢で人生を送って欲しいものです。