長期に亘る安倍政権が安倍首相の突然の退陣表明から幕が引かれ、菅政権が誕生して2か月が過ぎました。世論調査では支持率が50%後半となっており、新政権の門出の評価としてはますまずでしょうか? 新型コロナウイルス感染症の第三波が到来しているようなので、菅政権が打ち出す今後のコロナ対策にも注目が集まってくることでしょう。
それに比べて地味ではありますが、金融経済界にも地殻変動が始まりつつあります。地殻変動の元を辿れば菅政権に行き着きます。金融はメガバンク三行を頂点に、地方銀行(地銀)、信用金庫(信金)、信用組合(信組)とヒエラルキー構造となっています。九州各県にある地銀は、福岡FG、西日本FG、九州FGの3つのフィナンシャルグループに再編されてきました。東九州圏を地盤とする大分県と宮崎県の地銀はこの3つのFGには組み込まれていません。
大分県の人口はかつて120万人近くありました。それが今、113万人と減少しています。人口減は間接的に経済規模の縮小を招きます。大分県の地銀は2行あります。120万人の時は2行はそれなりの利益を稼いでいたかも知れません。将来、大分県の人口が100万人を割りかつ高齢者割合が40~50%となり、生産人口(15歳以上65歳未満)の人口が急減するとなれば、企業数は現在よりも大きく落ち込むことが予想されます。その時点で「地銀の再編を」と叫んでも、「事は遅し」となるに間違いありません。
菅政権は地銀の再編・統合の施策を強く打ち出しています。日本銀行も地銀が統合すれば、日銀に預けている預金に金利をつけるという誘導策を打ち出しました。現在、日銀はマイナス金利を主要施策として打ち出しているにも関わらずです。
日銀の新施策に呼応するように、菅政権は地銀再編成で必要となるシステム統合に補助金を支給することを決定しました。一回限りで30億円が上限とのこと。30億円が高いかまたは低いかは分かりませんが、補助金を支給してでも地銀同士を統合させ、現在102行ある行数を各県1行+α程度に誘導しようとする菅首相の意図が診て取れます。地銀再編後は大分県で1行、または隣県宮崎県とで1行又は1.5行程度になるかも知れません。
会社経営では事業運営に必要な資金確保は重要な経営課題です。地銀の経営が傾き「融資できません」や「貸出していた資金を回収します(貸し剥し)」が横行するようになければ、地域経済は大混乱に陥ります。先手必勝。102行の地銀の頭取らは驚愕の再編シナリオかも知れませんが、私は政府が推し進めようとして政策に大きな誤りはないと考えています。