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六曜(大安等)を信じますか? それとも・・・

 私はどこでもいるごく普通の日本人です。神仏を信心する程度も一般的な日本人と同じ程度でしょう。しかしビジネスをやっている手前、大安や友引などの六曜については神経質になります。

 六曜は大安、仏滅、友引、先勝、先負、赤口の6つを言います。仏滅とあるので仏教に関連あると思ってしまいますが、仏教とは関係ないそうです。日本古来からあったのではなく、古来中国の思想・考え方を輸入し、日本的な信心として長年通用してきました。例えば「結婚式は大安が良い」とか「葬式は友引を避けるべきだ」という具合です。

 何でもかんでも、占いや古来からの風習・因習に縛られるのも如何かと思いますが、ビジネスの成功は経営者の想いや熱意とは別次元の力学で左右されることも多いものです。仮に不首尾に終わったときに「後悔先絶たず」ではないですが「あの時こうしておけば良かった」と自戒するのも面白くありませんね。そうだったら、「占いは信じないが取り合えず暦通り(六曜)に物事を進めよう」と思えば、何をするにしても気が楽になります。気持ちが楽になれば、やる事、なす事上手く回り始めるかも知れません。

 ということで、私の顧問先の社長との会話を綴ってみます。顧問先が県外から事業用の新車を2台調達することになりました。私が「いつ納車ですか?」と訊ねたところ、仏滅の日に納車するというのです。「社長、折角ですから仏滅を止めて大安や友引の日に引き取るようにしませんか?」と助言としたのです。社長は「そんな迷信を信じませんから仏滅でも良いです」との返答。なお、納入する会社の社長も「本当に仏滅の日で良いですか?」と社長に訊いてきたそうです。

 後日、その社長とコンサルティングで面談しました。社長はこう言うのです。「おの時、先生や先方社長の忠告を聞いておけばよかった」と悔やむ発言があったのです。「どうしたんですか?」と清成。「実は納入に当たって高速道路を使ったのですが、走行中に車のガラスが砕けて車内に散乱しました。また車検証の登録住所地が間違っていました」と社長。ガラス破損と車内散乱は新しいガラスに取り換えて終了です。

 その後で当該の社長が言うのです。「これからは、ビジネスを成功させるためには神仏にすがっていくことも大切ですね。六曜にも心を砕いていきます」。経営者はちょっとしたゲン担ぎをしたくなるもの。しかし迷信や因習等を信じ切ってしまうことは逆の意味で、経営の自由度を奪ってしまいます。それでもちょっと気にしておくという程度であれば、心の安寧と結びつきます。私もごく普通の日本人、経営者としてこのように振る舞ってきました。そのお陰て、27年の事業経営を通じて沢山のお仕事を戴き、多くの経営者達と知り合いになりました。経営状態も良好で推移してきました。有難いことです。感謝です。