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今から30年後をゴールに地球温暖化ガスの排出を実質ゼロ?、の発言を考える

 中小企業の強みとして挙げられるモノに「機動力」があります。また「トップの決断の速さ」もあります。トップが企業を取り巻く現況を推察・分析した上で、会社の進むべき方向性を決定し、そして直ぐに行動に移す。この機動力、行動力(考働力)がないと弱小の中小企業は生き残れません。

 それと比べて、なんと日本国の動きが鈍いこと、嘆き節ももう枯れ果てました。というのも、今朝の日本経済新聞に「温暖化ガス排出、2050年に実質ゼロ 菅首相が表明へ」とあったからです。今年の7月、熊本県の球磨・人吉地方を中心に豪雨水害が発生し、多数の人命と家屋等が失われました。地域の経済活動は現時点でも停滞したままです。今年の日本列島は台風の直撃は免れましたが、7月豪雨水害直後に巨大な台風が九州近海に襲来しました。上陸まで至らなかったのですが、気象庁がその強大な勢力から事前の避難等を呼びかけるなど、九州に在住する国民を震撼させるほどの影響力をもった台風襲来でした。

 なぜ、900hPa近くまで成長する台風が発生するのか。その理由は海水面の温度上昇です。この温度上昇の契機となっているのが地球温暖化であり、地球温暖化を助長するのは温暖化ガスの排出であることに間違いありません。地球は40億年超の歴史の中で過去何回も温暖化と寒冷化を繰り返してきました。これを理由として現在進んでいる温暖化は温暖化ガス排出の影響ではなく、地球が過去に経験した温暖化と寒冷化の循環性に基づくものという科学的根拠なき理由を主張する人たちもいます。

 科学的根拠云々というよりも、現に地球が温暖化している事実を真摯に理解することが重要です。そして温暖化に少なからず影響していると思われる要因を一つずつ潰していくことが重要でしょう。そうしなければ10年タイムの期間で、数メール単位で上昇した海水面の影響で日本の海岸線は大きく後退することは目に見えています。平野部に居住する国民は新たな居住地を探して内陸部へ移動しなければなりません。

 このような展開は中学生位の知識があれば容易に推論できます。今は2020年(令和2年)です。2050年は30年後です。「2050年までに」という時間軸を設定するところに、既に危機感そのものがないことを露呈しています。もう時間はないのです。今の日本国に必要としているのは中小企業と同じく、素早い意思決定と迅速な行動、機動力ではないでしょうか。私はそのように思っています。