10月1日から雇用保険の失業手当(基本手当)の支給要件が変更になります。雇用保険は原則として、労使折半の保険料を原資に、労働者が失業等をしたときの生活保障等を行う制度です。その代表的な手当が失業手当(基本手当)の支給です。私も今を遡ること27年前の平成5年3月31日付で15年間勤めた会社を離職したときに、この失業手当を受給した思い出があります。
失業手当をもらう要件は多々あります。例えば支給対象者として「自発的に離職をした者」と「解雇等による非自発的な離職をした者又は介護等の事由による止む無く離職した者」、「障碍者等の就職困難者の離職」の区分がありますが、総支給日数は一律ではなく大きな差異があります。
10月1日から変更になるのは「自発的に離職した者」に係る支給要件です。支給要件の1つに離職日前の雇用保険被保険者であった通算期間が過去2年間で12か月以上あることが求められています。また一月に11日以上仕事をしていなければなりません。これらの要件を満たせば、年齢に関わらず(但し65歳以上は除く)勤務年数10年未満のときは90日、同10年以上20年未満は120日、同20年以上は150日の失業手当が受給できます。但し、住所地のハローワークに出向き失業の認定を受けることが必要です。
このように、失業すると失業手当が受給できるのですが、離職した翌日から即支給されるわけではありません。失業の認定を受け求職の申込みをした後、7日間は待機期間として支給が制限されます。この待機は「解雇等による非自発的な離職をした者又は介護等の事由による止む無く離職をした者」や「障碍者等の就職困難者の離職者」でも同様な取扱いです。
この7日間待機に加えて、「自発的に離職した者」には1か月から3か月の範囲で支給制限期間をハローワークの所長が定めています。自己の都合により離職した者に、労使折半で積み立てた資金を離職後早々に手当として支給するのは如何なものか、という政策的判断がこの支給制限期間の設定にあります。1か月から3か月とありますが、現実には3か月の制限期間としています。今回の運用改訂では、この3か月を2か月とすることにしたのです。このような変更理由の背景には、コロナ禍により自発的に離職した人達が少なからずいたのかも知れません。
コロナ禍による自発的離職者にも過去の運用例に従って3か月間、失業手当を支給しないと日常生活の維持が困難となります。よって、支給制限期間を3か月間を2か月間に短縮することで日常生活の維持を図り、安定した職業に就職する意欲を高めようと考えたのだと思います。