高校生プロ棋士の藤井聡太七段が、8月5日に対局があった王位戦第3局に勝利しました。既に戴冠している棋聖に加え、王位のタイトル奪還も視野に入ってきました。対局後の感想戦で藤井棋聖は木村王位に敬意を表しつつ、次戦でも良い将棋を指したいと決意を語っていました。
次戦は福岡市で今月19日と20日の両日に行われます。「勝って兜の緒を締めろ」という諺があります。油断せずに、4連勝で王位を奪取して欲しいものです。王位を奪取すると棋聖を含めてタイトル保持が2期となり、八段に昇段するのだそうです。最年少プロ棋士、デビュー戦後29連連勝、各段の昇段年齢、タイトル戦初挑戦年齢、初タイトル獲得年齢等々、数々の最年少等記録を打ち立ててきた藤井七段の王位戦第4局が大いに注目されるところです。
さて、藤井七段は何故このように強いのでしょうか? 通説ではAIを上手に活用しているとか。確かにAIに過去の棋譜を全て覚えさせ、最善手は何かを研究するには良い手段だと思います。しかしAIは藤井七段のものだけではありません。先輩棋士や後輩棋士もAIを使って、棋譜の研究に勤しんでいるに違いありません。
私は藤井七段の強さは「内省」「内観」にあるのではないかと思います。4月以降、新型コロナウイルス感染症の為に公的な対局は中止又は延期となりました。その日数は50日程度。この期間を使って、藤井七段は過去の対局を見直したといいます。一局一局、「何故あの時にあのような指し手を打ったのか」「別な指し手はなかったのか」など、対局時の心理状態にまで深く推敲したと報道では伝えています。
人が「ミスを犯す」ことは当然なのです。「ミスを犯さない」ということは絶対にありえないのです。成功者(勝利者)と失敗者との違いは、「ミスを犯したその背景をしっかりと自己認識し、対策を講じることができるか」にあると言えます。「ミスは過去のもの」として、ひたすら前進だけする者は敗者への道を歩みます。「ミスを犯した背景や理由を探り、別の手段がなかったか、自分の心に慢心がなかったか」などと「内省」をする習慣を身に付けている人は、一時の失敗をもろとせず必ず勝利者となるのです。自分の心奥深く見つめていく「内観」も重要です。「内観」を習慣化すると心を静かに対象物を見つめることができるようになります。「内観」は禅の修行で得られるでしょうし、また流行のマインドフルネスという手法でも習得は可能でしょう。
私は「内省」も「内観」不十分です。しかし、日頃からこの2点に関心が離れない様に心しています。藤井七段は18歳にして、既にこの習慣を身に付けていると思うのです。今後の活躍に注目です。