「外食1000店超が閉鎖 業態転換などで長期低迷に備え」。ショッキングな見出しで日本経済新聞7月30日付朝刊は報道しています。TVやネットでは新型コロナウイルスの新規感染者発生者数が連日流されています。それと同時に日本経済新聞は、企業の業績や経営戦略についての報道もまた連日なされています。令和2年度の日本のGDPは△4%~△5%となる見通しだとのニュースも目にしました。
7月22日に開始されたGo-Toトラベルキャンペーンが躓いています。余りにも新規感染者数が急増し、経済回復への歩みに逆風が吹き荒れています。経済活動が活発化しなければ、税収回復どころか、国民の消費行動を劇的に変えてしまいのす。その結果、日本社会が奈落の底へ沈んでいくのではないかとの危惧を政府のリーダーは感じ取っているに違いありません。日本経済界をリードする財界人も同様だと思います。このよう政財界リーダーの心情はある程度理解することができます。
しかし、日本国という人が健康体から体に悪寒が走る病気予備軍となった今、そして今後は急速に病状が悪化すると予想される今、政治のリーダーは劇薬を呑む意思決定をする必要があると思います。その劇薬とは、関連法の改正による行政庁の権限強化と罰則の導入、また緊急事態宣言の再発出だと思うのです。劇薬と書きましたが、効き目の強い薬という感覚で良いと思います。
何故、劇薬(又は効き目の強い薬)が必要と主張したのか? もしこのままの状況が推移していくと、企業活動やマイナス心理に裏付けられた生活者の消費行動の落込みが、事業者の倒産や事業閉鎖に拍車をかけると思うからです。3月から5月にかけて国は企業融資の枠を広げ、融資環境の緩和へ旗を振りました。その時点では「秋ごろにはある程度沈静化するかも知れない」と考えた(融資を受けた)中小零細企業者が多かったと思います。
しかしながら元々、事業承継問題がクローズアップされるほど、全国380万社・者の廃閉業問題は深刻でした。「先が見えない」と経営者が判断した場合、どのような結論となるか? 1つは「体力のある内に事業を閉鎖しよう」であり、もう1つは「破産しよう。自分と家族が自己破産しても仕方ない」となるでしょう。「先が見えない、読めない」という経営環境ほど怖いものはありません。今の政府は「何の対策も講じていない」と全国民は感じていると思います。
再度の緊急事態宣言の発出が絶対に必要です。1カ月間でなくても良いです。2週間と限定しても良いです。九州県内など一定地域の移動を制限しなくても良いです。前回の緊急事態宣言とは異なった方式で良いのです。その宣言によって国民が、「これを契機として改善の方向へ向かっていくに違いない」と感じとってもらえれば良いのです。経済はエンドユーザーの心理で大きく動くものなのですから。