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消費を喚起する妙案は???

 毎回同じコラムで「もういい加減にして」と思うかも知れませんが、今回も新型コロナウイルスに関連するお話です。コロナウイルスの災禍で日本国内の経済活動が停滞しています。明日から新年度が始まりますが、令和2年度のGDPがマイナスになるのはもはや想定の範囲と言っても良いのかもしれません。それでは、どうすればその落込み幅を最小限にできるのか、私見を述べてみたいと思います。

 政府はGDPの1割強となる60兆円もの経済振興策を打ち出そうとしています。詳細はこれから固まってくることでしょう。ここでGDPの内訳を確認したいと思います。個人消費が60%強、(国と自治体の)政府投資と外需が13%~15%、残りが民間(企業)投資という内訳で日本のGDPが成り立っています。よって、60%強を占める個人消費を爆発させるような施策が最も重要な対策と言えるでしょう。個人消費が上昇すれば、企業の生産活動が上向き、民間投資も活発になってくるに違いありません。

 では、病弱となっている個人消費にどのようなカンフル剤を打てばよいのか。妙案は中々浮かびません。現金給付も検討されているようですが、配付した現金を消費に回してもらわないといけません。貯蓄に回したり、金融債務の弁済にあててもらっては困るのです。もし消費に回らない可能性が高いのであれば、現金給付は愚策の域を脱することはできません。

 私は旅行や飲食等で使用できるクーポン配付が良いのではないかと思っています。数十万円分のクーポンを大盤振る舞いしましょう。クーポンですから実際に利用しなければ、商品購入やサービス利用ができません。貯蓄等の非消費支出に回ることもありません。

 1年程度使用できるクーポンの配付であれば、旅行業や宿泊業は長期間にわたって潤うことでしょう。人々が旅行等で日本国内を広範囲に移動すれば、宿泊や飲食、お土産品購入などで広くお金が落ちていきます。クーポンを受け取った企業は政府に対して換金を要求します。こうした移動需要が腰の強い個人消費のカンフル剤としての役割を果たすものと私は思っています。このコラムの読者の皆さんのご意見は如何でしょうか。