働き方改革が今年(令和元年)4月からスタートしました。時間外労働等の規制が強化される一方で、これまで悪弊となっていた時間外労働手当が生活給の一部となっていた方々には収入減となる可能性もでてきました。ということで、政府は副業や兼業、フリーランスでの仕事等々、本業以外の仕事で収入を確保することを許可しようという動きを見せています。
ここで問題なのは、追加の収入を得るとして副業等に精を出しているときに、労働災害に遭わないかということです。どの会社でも本業は概ね週40時間労働が基本だと思います。副業で週20時間強の仕事を行うと、副業の時間は月間80時間を超える場合も出てきそうです。一月でも100時間の時間外労働をすると心身が不調となる可能性が高まってきます。100時間の時間外労働時間は過労死ラインとも言われています。更に休日・休息がなく毎日働くとすれば、心身不調のリスクは急速に高まっていくでしょう。
副業で稼ぐのは良いとしても副業中に労災事案に遭い、その結果本業では休職扱いとなってしまう。このような笑えない話が発生しそうです。働き手としては、副業中の仕事が労災事故と看做されるかという懸念もあります。更に給付額を決める平均賃金に本業での給与を含めるかという悩ましい問題もあります。
いずれにしても政府は副業や兼業等の許可制を使用者側に迫ってくる可能性がありそうです。令和2年の通常国会で、副業・兼業時の労働時間や給与に対し、労災保険や雇用保険でどのように取り扱っていくのか、対応法案を提出する準備を進めているようです。今後の成り行きに要注意です。
なお、安直に何の条件の付けずに副業・兼業を許可するような就業規則の変更は、後ほど本業での就労条件等で問題となる可能性もあるため避けて頂きたいものです。検討したいという経営者がおられましたら当職事務所へご相談下さい。