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令和2年度の政府予算が102兆6千億円

 政府の令和2年度の予算が閣議決定しました。総額102兆6580億円となりました。過去最大で、幼児教育・保育の無償化などを背景に社会保障費が35兆8608億円と大きく膨らんできました。日本政府が採るのは「中程度の国民負担で中程度の福祉」というのが基本路線でしょうか。しかし昨今は「中程度の福祉から中高程度の福祉へスライド」してきているように思えます。

 歳入(収入)はどう見込んでいるのでしょうか。税収は消費税が10月の増税が功をそうして所得税を上回る20兆円越えを期待しているようです。法人税等を含めた税収は63兆5130億円を予想していますが、102兆円6千億円との差額の大半は赤字国債(約32兆円)の発行等の負債で賄います。

 TV等メディアの報道をみて思ったこと、それは「予想経済成長率1.4%は高いのでは?」ということ。経済成長が順調に推移するとすると、消費税や所得税、法人税等の経済取引や所得に係る税金は当然増加します。逆説的には、この成長率を実現できなければ予定した税収が確保できないのです。いつも乍らの期待値での、また期待値に更に期待を載せての政府予算の発表です。

 会社経営はこのような甘い期待値で予算を作成してはいけません。「入りは少なく出は多く」で事業予算を作成するのがベストです。「入りは少なく」とは売上高は堅い線で見積もるということです。「出は多く」は費用・経費は予想外の支出を予想し少し高めで予算設定をするということです。こうしておけば、「売上が厳しい」となったとしても、所期の利益は確保できるようになります。令和2年度の国家予算の発表風景を観た私の感想です。