ヤフーとLINEの経営統合が話題になっています。親会社はソフトバンクGの検索サイト大手ヤフーと交流サイト大手LINEとが経営統合し、ネットサービス利用者が1億人を超える巨大なネット企業が誕生するという内容です。今日(01年11月15日)の日本経済新聞の片隅に、日本、中国、韓国等の独禁法当局が両社統合に係る審査を始めたと書かれていました。
日本の経済規模は世界第三位ですが、ネット・IT系に絞った経済規模では、米国や中国に遙かに及びません。恒例の独身の日セール(11月11日)で4兆円の売上を上げたアリババの顧客数は6億人とか。人口が13億人強の中国ではシェアーは50%にも及ばないかもしれませんが、6億人のお客様がアリババのサイトで買い物をするという事実は驚愕ものです。対局の米国では全地球的な影響力のあるGAFA(グーグル・アマゾン・フェイスブック・アップル)は年々その存在感を急激に高めています。今やGAFAが提供するサービスや製品を利用しない日々は考えられません。
この中国や米国でのIT系企業の強烈な存在感には一歩及ばないまでも、隣国の韓国ではネット大国だと喧伝されています。例えば日本で今急速に普及しているキャッシュレス決済の利用率は、韓国では90%以上なのです。日本では現金に対する信頼度が他国より高いこと、またネット・バーチャル空間傾倒への不安から、現時点でのキャッシュレス決済率は20%前後とかなり低い水準です。日本は、ネット・IT系分野では既に他国に対して周回遅れとなっているのが現実なのです。
利用客数が1億人のネット巨大企業の誕生は日本経済に大きな荒波を発生させるかも知れません。両社は多様な分野で事業展開をしています。両社統合で多少の事業分野の統廃合があり一時的には利用者が不利益を被る場合も出て来るかもしれません。しかし、これまでにない新たなサービスが展開される可能性も膨らみます。既存他社もM&Aを含めた事業の再構築が求められてくるでしょう。今後の両社の統合交渉が注目されるところです。