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著名企業のCEOをコーチする

 日経MJの10月14日号に面白い記事が載っていました。[役員をコーチ  1兆ドルの男]の見出しに目が止まりました。投稿は経営コンサルタントの神田昌典氏。米国の名だたる企業のCEOのコーチを務めた人がいるという。その人の名はビル・キャンベル氏と書いていました。キャンベル氏は元フットボールの監督だったそうで、2016年(平成28年)に75歳で亡くなっています。

 記事には元GoogleのCEOだったエリック・シュミット氏が受けた体験談を載っています。超巨大企業のCEOにコーチをつけるなんて有りか?と思うのが普通でしょう。シュミット氏も最初はそう思ったとか。しかしコーチングを受けるとキャンベル氏を役員会に同席させるようになったというのです。

 優秀な社員が大勢いると、その社員間の人間関係が難しくなってきます。皆が優秀だからです。他の社員をライバル視することで、相互牽制が始まり、組織は動かなくなり停滞が始まります。「同僚はあなたのことをどのように見ていると思うか?」との質問をキャンベル氏はよく投げ掛けたといいます。

 「同僚はあなたのことを高く評価していた」と優秀な社員同士の理解を促進させるようにする。同時に「こうすればチームは機能するようになる」とマネジメントの全体品質を改善していったといいます。

 全ての課題は人間関係に行き着きます。良好な人間関係を構築し、かつ所属する組織・チームの生産性を上げていくには、チームメンバー1人ひとりの建設的な対応が必要です。建設的な対応の必要性を人は理解しつつも、心に障害・壁を設けて避けていることが一般的でしょう。キャンベル氏のコーチングは、相互理解と建設的な対応を促すサポートの役割を果たしていたのに相違ありません。