消費税増税まで1ヵ月を切りました。3%、5%、8%と過去にあった消費税の導入と税率アップ時には、数か月前から大きな駆け込み需要が発生しました。そして増税後は一定期間、消費が落ち込むという繰り返しでした。ところが今回は駆け込み需要が発生していないようなのです。「全くない」というのではないでしょうが、耐久消費財を含めて高額品の先取り需要が発生していないというのです。
8月の下旬だったと思いますが、百貨店の衣料品売り場では冬物商品が売れているという報道がありました。夏なのに?!、冬物を販売している。これは消費税増税前の駆け込み需要の取り込みを狙った販売促進策だったのです。「売れています」というものの、担当者は破顔満笑とまではいかない様子でした。これをみて、駆け込み需要は発生していないのだと確信しました。
政府はリーマンショック級の経済変動がない限りは増税する、と繰り返し主張してきました。過去にみられた増税後の落ち込みを回避するために、ポイント還元等のあらゆる政策手段を用いて、増税後の消費落ち込みを食い止めようとしています。消費者はこの政府の努力を真摯に受け止めたのか、はたまた半分諦め状態なのか、いずれにしても駆け込み需要がなかったことは確かです。
増税後の消費が大変気になるところです。一時的にしろ税収落ち込みという最悪の事態を避けつつ、安定的な経済成長(個人消費)が達成できればと念じている私です。