逆イールドカーブ(逆利回り曲線)という言葉を目にしたことがあるでしょうか。過日の日本経済新聞にこの逆イールドカーブが記事になっていました。
経済活動を行うに当って企業等は資金調達を行います。直接金融の例として社債等の債権を発行する場合があります。この社債は償還までの年数が長いほど、支払利率が高いのが一般的です。
長期間の資金貸し出しとなれば、その間に事業環境が大きく変われば企業活動が停滞し、利息の支払遅延や元金の支払い不能に陥る(デフォルト)リスクが高まります。よって、その返済リスクを担保する為に調達金利は高くなっていきます。短期債券の利率<長期債券の利率、これが順イールドカーブです。
逆イールドカーブとはこの逆です。短期債券の利率>長期債券の利率、となっている状態です。何故、短期債券の利率が高くなるのか? それは、短期的に過度な金融不安が発生し、また急激な政策変動があったりすると投資家の不安心理が増幅されていきます。そのために、短期金利が長期金利よりも高くなるという変な現象が起きてしまうのです。
市場をかく乱しているもの。例えば米国トランプの不穏な発言、米中両国の貿易戦争、日韓の貿易管理強化問題、英国の合意なきEU離脱、欧州各国での大衆迎合主義の浸透等々、今後の世界貿易やグローバル経済の発展を阻害する影響要因が目白押しです。投資家や運用会社がこのようなマイナス要因に過度に反応したために、長短利息の逆転が生じているのです。
金利の乱高下は企業の投資活動の制約条件となります。安定した調達金利でなければ、多額の設備投資を行おうという気運は下降していくでしょう。「政冷経熱」から「政熱経冷(政治は熱く・衝突し、経済は冷え込む)」とならないよう、各国の政治指導者達にはお願いしたいところです。