7月24日の夜のNHK「クローズアップ現代」で、台湾から与那国島へ丸太船を漕いで渡航する実証実験が報道されていました。実験は7月7日から9日の計45時間10分、見事成功裏に終わりました。
新聞報道で既に知っていたのですが、丸太船に乗っていた5名のクルーの1人、女性(かじ取り役)が出演していました。クルー5名の構成は男性4名に女性1名。年齢の最小は40歳、最長は64歳で平均年齢は47.8歳です。
日本人のルーツは台湾等南方から渡来した人々、朝鮮半島から渡来した人々、樺太経由で北方から南下した人々などです。多種多彩の人々が混血・混在して現在の日本人が形成されてきたというのが定説です。今回の実験は過去2回(草船、竹船)の失敗を経て3回目の挑戦です。
日本人の祖先が渡航したとする3万年前には鉄製の道具はありません。石で作った斧や草木を利用して黒潮流れる大海原を渡り切れる丸太船をつくったのだそうです。目的は当時の祖先が当時の道具等で台湾から与那国島(琉球諸島)へ渡ることが出来たのか、その可能性はあったかを確認するというものです。「黒潮の流れに沿えば渡航できた」とは理論上の仮説。理論・仮説が正しいかは実験をしなければ証明できません。今回の実験で、少なくとも「可能であった」ということが証明できました。日本人としてもワクワクする実験ではなかったでしょうか。
さて、会社経営も理論・仮説と実験、検証のフローは欠かせません。「実践なき理論は空虚である。理論なき実践は無謀である」とは米国の社会生態学者故PFドラッカーの弁です。理論・仮説と実践・実験は表裏一体なのです。平たく言えば「有言実行」とも言えるでしょうか。「やってみる」「ダメなら成功するまで繰り返しやってみる」。実践・実行・実験に躊躇している経営者では、会社は今以上には成長しません。「組織はその長の器以上には大きくはなれない」のです。