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統計数字の判断基準の難しさ

 これから綴るメモには政治的な色彩は一切ありません。単に統計(数値)をどう診るかについての困難性を論じているだけです。その点にご留意の上で本稿をお読みください。

 2月24日(日)に沖縄県にて県民投票が行われました。米軍普天間基地の辺野古移転に関する是非を問うもので、「賛成」「反対」「どちらでもない」の3つの選択肢が用意されていました。結果は「賛成」11.5万人、「反対」43.4万人、「どちらでもない」5.3万人でした(千人未満を四捨五入)。投票率は52.48%でした。

 県民投票条例では有権者の1/4(25%)以上の得票があった回答肢については、日米両政府へその旨を通知するとなっています。この結果では「反対」から72%を占め、かつ投票率は52.5%ですから、有権者の37.8%の沖縄県民が辺野古への移転に反対をしたことになります。よって各メディアは「県民の総意は反対だ」とこぞって伝えています。

 しかし、投票結果は別の見方もできるのです。意見や主張には「積極的」なものと「消極的」なものとの2面性があります。投票に行った人たちは「積極的」に自らの意見・主張を発現したのです。しかし、もう一つの得票に行かなかった47.5%の有権者は「消極的」に自分の意見・主張を発現したとみるべきでしょう。

 「消極的」な意見・主張を「反対」又は「賛成」・「どちらでもない」のいずれに近いかによって、県民の総意の判断基準は動きます。有権者100%のうち、37.8%の「積極的」な意見・主張のみを採用して県民の総意であると言えるか、多少の疑問が残ります。

 飲食店では卓上にアンケート用紙が置かれていることが多いものです。「良い」「普通」「悪い」の三択で意見を教えて下さいというものです。経営者が「普通」の回答を「良い」又は「悪い」のいずれと認識するかで、飲食店の今後の経営方針は変わってきます。ある経営者は「悪い」方に理解するとしました。そうすることで、料理や提供方法等の改善に取り組まざるを得なくなるからです。私はこの経営者の判断は正しいと思っています。経営に甘さは害悪です。厳しさが必要だからです。

 さて、再び沖縄県の県民投票を振り返ります。投票に行かなかった「消極的」な意見・主張をおこなった47.5%の事実は「『反対』ではなく『賛成』又は『どちらでもない』と捉えるべきではないか」という考えが正しいような気がします。とすると、沖縄県民の37.8%が「反対」、62.2が「賛成」又は「どちらでもない」という判断をしたという結果になります。

 このように統計の見方、分析の視点を変えることで、絶対値は同じでも結論は全く正反対となる可能性があります。数値は本当に私たちを混乱させてしまうのです。