· 

降雪対応に観る企業経営

 関東では降雪があり、交通機関や市民生活に支障が発生しているようです。企業経営では特に2011年(平成23年)3月の東日本大震災とそれを起因とした原発事故の経験から、BCP(事業継続計画)を作成することが流行ってきました。

 BCPの前提条件は、自社にどのようなリスクが襲い掛かってくるかというリスク認知とそのリスクが企業経営に与える影響度の推測です。このリスク評価がきちんとできていれば、どのような対策を

講じるべきかは必然的に創案できるものです。

 さて、関東圏の降雪に話を戻します。今年は暖冬でした。12月には夏日も記録したようです。1月には寒い日もありましたが雨を伴う寒さではなかったため、降雪までには至りませんでした。降雪に対する備えは全くと言っていいほどやってこなかったのです。油断大敵!です。人は希望的観測に立って今と将来を推測することに慣れています。「今がこうだから、将来もこうなるだろう。いやきっとそうなるに違いない」と思いきるのです。

 企業経営の要諦は経営環境が事業に与える影響を否定的、マイナス的に考えることです。真剣に、慎重に、広範囲に考え考え抜いていくのです。「怖くて夜に寝れない」という位に事業環境を考えれば、予想外のリスクはゼロに近くなるはずです。

 そして、「後は実行していくだけ」という状況に持っていきます。実行する際は楽観的、肯定的、ポジティブに実行します。「ネガティブに考え、ポジティブに実行する」。成功している経営者は、この簡単ではあるものの容易に実行しようとしないリスク対応を行っているのです。