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インフルエンザにみるリスク対策

 インフルエンザの予防接種を行いましたか? 経営者や管理者には事業を危うくするリスクが襲い掛かってきます。このリスクには事前に予防できるものと、事前予知が全く出来ず予防対策が打てないものもあります。

 季節性インフルエンザ罹患に伴い、従業員が一定期間出社できないというリスクは事前の予防対策を打つことが可能です。インフルエンザは冬季に罹患者が多くなり、仮に罹患をしても軽微となるようなワクチンが製造販売されています。保険は効かないとしても、そう高くない費用で予防接種ができます。

 仮に接種代が3500円/人とし、会社が費用の全額を負担をするとしましょう。10名の従業員全員に接種すると35000円、20人だと75000円かかります。インフルエンザは伝染病ですから、他の健康な従業員への感染が発生するかも知れません。その関連リスクを無視した時、次々と従業員が倒れると現場が混乱し、売上減少や無駄な費用の発生が生じかねません。

 このような予想されるリスクをなくす又は軽減するには予防措置が効果的です。季節性インフルエンザであれば予防接種がこれに該当します。

 なお、季節性インフルエンザの罹患により法令を根拠とした出勤停止や無給処理を行うことは難しいようです。OKという判断もありますが、どちらかと言うと「できない」という判断の方に軍配があがりそうです。

 従って、就業規則に「罹患したときは出勤停止とする」旨の条文を入れておいた方が無難です。また、会社から従業員へ休業を命じるのではなく、従業員から会社に休業を申し出るようにすると良いでしょう。また有給休暇の取得の申し出はOKとして下さい。

 最後になりましたが、経営者もインフルエンザの罹患に注意しなければなりません。まだ予防接種をしていない経営者は早急に予防接種を受けて下さい。