10月1日から大分県の地域別最低賃金が上がりました。一時間当り762円となり、9月末までの737円から25円のアップです。月平均の法定労働時間が173時間ですので、173時間勤務している従業員が「昨年と同じ仕事をしている」としても、最低4,325円は上げなければなりません。最低賃金法は強行規定ですので、「うちは上げる必要はない」となりません。行政罰や刑事罰などの刑に処せられる可能性があります。
なお、各種商品小売業や自動車(新車)小売業などは特定(産業別)最低賃金が定められています。ちなみに大分県では、前者は762円で地域別と同額、後者は799円となっています。
さて、一般的に賃金引上げは毎年4月としている企業が多いと思います。正社員はそれでよいと思いますが、短時間勤務や週の勤務日数が短い従業員の賃金引き上げの時期も正社員と一緒にする必要はなさそうです。
いわゆるパートさんの賃金設計は、最低賃金より「ちょっとだけ上回っている」としていることが多いのです。とすると、最低賃金が改訂される10月以降をパートさんの賃金改定月としてしまえば、「4月に上げて、また上げなくてはならないのか」という不測の事態には落ち入りません。
なお、新たにパートを雇用する際は、労働条件の明示が求められており、「昇給の有無」は書面で明示しなければなりません。よって、「昇給月は10月です」と書面したものが必要となりますのでご注意下さい。