「ダムに水を貯めないといけませんな」とパナソニックの創業者、松下幸之助翁はある講演会において参加者の質問にこのように答えたと伝えられています。質問は「松下さんの講演は当り前のことを言われていますが、肝心の儲かるにはどのようなことをすればよいか」という内容だったと思います。松下翁はしばらく考えた後に、前述のように答えたというのです。
昨夕(8/30)のニュースで中津市を流れる山国川のダムの貯水率が下がり、北九州市へ送水する量を減らすための取水制限を始めたとアナウンサーが語っていました。これは本当のダムの話ですが、松下翁のダムは「資金の社外流出を防ぐ」という点に焦点があります。売上として資金がダムに流れ込んでも、無駄な放水(無管理状態での資金使いたい放題)では、ダム(会社の金庫)に溜まっている水もやがて枯れてきます。資金が切迫し始めると企業活動は停滞をし始めます。
「ダムに水を貯めないといけませんな」、資金管理の難しさを松下翁は伝えたかったのでしょう。この名言はダム式経営として世の中に知られるようになりました。このやり取りを聴いてビビッと来たのが、京セラ創業者の稲盛和夫氏であることはよく知られています。