北部九州は梅雨が空けたらしいです。しかし、「いつもの通り」と言うのも憚れますが、北部九州や広島・岡山、四国4県など局地的に襲った集中豪雨の被害。その全体像を知るにつれ、平成で最も被害の大きい水害となってしまいました。被害者の方々には何と言ってよいのやら、言葉も見つかりません。死者と行方不明者を入れて200名超!、こんな被害をもたらした原因は何なんでしょうか。天災か、人災か等の口論が巻き起こりそうです。
「天災である」という意見の根拠は、台風7号の余波が梅雨前線を刺激したこと、日本特有の山間地に積上に雨雲が寄せてきたこと、山際まで住宅が建築されていること、川が急流で雨水が一挙に流れ下ること等が主張されるでしょうか。
一方の「人災である」の主張には、地球温暖化がもたらした強大な雨雲、河川改修の遅れから流木が川を堰き止めて流木ダムを造ったこと、避難を呼びかけるタイミングの遅れ等でしょうか。
こうした甚大な災害は一つの要素・要因だけでは起こりえないのではないでしょうか。一つのミスや初動の遅れが引き金となって、連鎖的に被害を拡大再生産してしまうのです。私たちは歴史を軽視してはいけません。歴史から学ぶことが大切です。
日本人はややもすると否定的な事実から逃避する傾向があります。マイナスな結果を信じたくはないし、そのような結果を望まないので「それはない」とか「それは過大(過小)評価だ」と自分に都合の良い部分しか「見ない」「聞かない」「言わない」という態勢に追い込んでいくのです。
企業経営でもそうです。一見、企業経営に無関係かもしれない今回の大災害ですが、「これから学ぶこしはないか」と事実をしっかり見つめ、検討して行って欲しいものです。企業経営にも、大小、複雑に絡み合った経営継続を困難させる要因・原因・環境が沢山あるのです。「事例が学ぶ」ことは企業経営者にとってはとても大切な資質であり能力でもあるのです。