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アンカリング(錨効果)とは?

 私が購読している日経MJ(日経流通新聞)の平成30年6月25日付で、学習院大学教授伊藤元重氏(前東京大学大学院教授)のコラム『戦略を読む』に興味あるメッセージが書かれていました。要約すると「日銀が主導する物価上昇率2%が中々上がらない理由のひとつに、消費財メーカーや小売が『単価アップに消極的になっている』ことがある。それでは何故、企業が消極的になるのか? 背景の1つにあるのがアンカリング(錨効果)である」と伊藤教授は指摘します。

 アンカリング(錨効果)とは、ある状態が一定期間継続すると、それが船にある錨(いかり)のように市場・マーッケット(海に例えると海底)にどっしりと根付いてしまうことを言うようです。「この商品だったらこの位の値段が普通」というように、消費者の脳みそにアンカー(錨)がぐさっと突き刺さっているのです。

 企業はどうすれば、この価格の呪縛から脱することができるのでしょうか。方法は多様ですが、焦点は分かっています。価格を問題としない状況を作り出すということです。消費者が価格に注意を向けないようにするということです。この価格であれば、「おっ値段以上」と言わしめるような雰囲気を作ることです。

 さあ、「安い価格でなければ消費者(エンドユーザー)に支持されない」という思い込みから解き離れて、お客に喜びと感動と感激を継続的に与えていくことを考えて考えて考え続けていきましょう。その先に「本当はこの価格で売りたいのだ」が実現できるのです。